ミドリガメはとても生命力の強い動物ですが、ミドリガメだからこそかかりやすい病気も存在します。ミドリガメだけに現れる症状もあれば、時には人間にも症状が現れてしまうものもあるので、ミドリガメの飼い主はどんな病気にかかりやすいかを知っておきましょう。
ミドリガメの病気は甲羅に現れる
ミドリガメの甲羅は、健康のバロメーターとして認識しておきましょう。以上がなければ問題なく滑らかな状態ですが、突然隆起したりカサツキが出るなどの症状は、ミドリガメに何かしらの不調がある時です。
甲羅の変形の多くは「乾燥」が原因です。水槽の水が不足していて甲羅全体が水に入らないような場合、乾燥した甲羅は部分的に縮んでしまい隆起や変形してしまいます。乾燥によって甲羅が変形してしまった場合、正常な状態には決して戻ることはありません。
甲羅の変形は隆起だけではなく、縁が巻き込むようになったり、反り上がって帽子のつばのようになってしまうこともあります。
さらに、甲羅に白い筋が入ってえぐれるような傷が入ることがあります。これは細菌感染による症状で、放置していると確実にミドリガメを死に追いやることになってしまいます。
細菌感染は動物病院で抗生物質を投与してもらうことで対処できます。早めの対処で命に関わる状況を回避できますが、症状を見落とすと骨にまで最近が侵食してしまい壊死してしまうこともあります。
また、甲羅がポロポロと欠けたり剥がれたりすることがありますが、これは「クル病」と呼ばれる病気の症状です。脱皮の剥がれ方とは明らかな違いがあるため、見間違えることはありません。
クル病を発症するのは「日光浴不足」と「カルシウム不足」が主な原因です。飼育環境が原因の病気なので、しっかりと対処さえすれば快復に向かいます。
ミドリガメの目の病気
ミドリガメの目が急に腫れてくることがあります。また、目の周辺の皮膚がただれているように剥けることも、目が白い膜に覆われることもありますが、どちらも同じ病気の症状になります。病名としては「ビタミンA欠乏症」となり、別名「ハーダー線炎」と呼ばれています。
ビタミンA欠乏症にかかると、ミドリガメの目の周辺に異常が現れ、目が閉じない・目が明かないという両極端な状況になることが発生することがあります。その場合、極度のストレスにより激しく鳴く・凶暴化する場合があるため、直接手を触れる際には細心の注意を払ってください。
ビタミンA欠乏症の対策は、ミミズやレバーなどを含めたビタミンAを多く摂取できる餌を与えることで予防できます。実際に発症してしまった場合にも、軽微なものであれば餌の見直しだけで対処できる場合もあります。症状が悪化してしまった場合、ビタミンAの注射を投与し、二次感染症予防の抗生物質を目薬として投薬することになります。
ミドリガメの熱中症に注意
自然の水辺にいるミドリガメを見ていると、長時間甲羅干しをしていて乾き切っているような状態を目にすると思います。その印象からか、比較的暑い環境でも問題なく飼育できると思ってしまうことがあります。
ミドリガメは水ガメなので、適度に水分摂取や入水して体温調節しなければ体調を崩してしまい、熱中症になってしまうので注意してください。熱中症になってしまうと、以下の症状が現れます。
- 嘔吐
- 動かない
- 泡を吹く
- 痙攣
- 麻痺した部分を引きずる
これらが現れた場合、水温が高くなり過ぎているので、早急に水を入れ替えてください。
ミドリガメは高温に強そうに思われますが、自分で体温調節ができない変温動物です。外気温が高い場合は、冷たい水に入ることで体温調節を行うため、水質や水温は高くなり過ぎないように注意しましょう。
細菌性の病気はわかりやすい
甲羅の病気でも触れましたが、細菌による病気はとてもわかりやすく現れます。中でも注意したいのが「中耳炎」です。症状は人間と同じですが、見た目で中耳炎の発症を確認できるため、特徴が現れた際には動物病院に相談してください。
ミドリガメが中耳炎を発症すると、目の後方が突起のように膨らんできます。ミドリガメの場合、治療は点耳薬ではなく切開手術です。中の膿を除去しなければ治りませんので、できるだけ早く動物病院に連れて行きましょう。
中耳炎の原因は「水質の悪化」です。細菌が発生している汚れた水に入り続けることで発症します。また、水から出られる陸地がないことも考えられるため、飼育環境を見直してみてください。
ミドリガメから人間への病気
ミドリガメを飼育する上で、人間も気をつけなければならないことがあります。それが「手洗い」です。ミドリガメにはサルモネラ菌が大変多く付着しています。清潔な飼育環境であれば繁殖しないわけではないため、常に手洗いが必要と覚えておきましょう。
- ミドリガメを持った手でそのまま何かを食べる
- ミドリガメの水槽を洗ったままの手で何かを食べる
- 水槽の水が口に入った
これらが原因で、飼い主が腹痛・下痢・嘔吐を起こす場合があります。ミドリガメを触った後は、必ず手を洗って除菌する習慣をつけましょう。
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