ミドリガメの飼育は、かなり放任的な飼い方でも成立するため、とても飼いやすいペットといえます。公園の池や河川の水門周辺など、あまりキレイとはいえない環境でも力強く生きていけるだけの生命力を持っているので、多少水を換えるタイミングが維持できない場合でもしっかりと耐えてくれます。
しかし、特定外来生物の指定を受けてしまうギリギリのところにいるミドリガメは、現在販売目的の捕獲が禁止されてしまっています。新たな個体を手に入れるにはどうすれば良いのでしょうか。
そんなミドリガメを飼育する上で必要なものやポイントについて考えていきましょう。
ミドリガメの飼育に必要な申請や許可はある?
結果からお伝えすると、ミドリガメを飼育する上で必要な申請や許可は何もありません。ペットショップで販売されている個体や、自然界にいるミドリガメを捕獲して飼育するのは誰にでも許されています。ただし、一度飼育を開始したミドリガメを再放流することは許されないため、本気で飼育を考えている方は必ず最後まで面倒を見るようにお願いします。
ミドリガメは販売目的の捕獲が禁止されていますが、ペットショップでは今でも販売されています。これは、販売目的で捕獲しているのではなく、すでに飼育している個体から生まれた新たな個体になるため、禁止事項に当てはまらなかったものになります。
しかし、2022年3月1日の政府公示によると「販売目的の飼育も禁止になる」とされました。これによってペットショップでの販売終了が予想されます。
ミドリガメ同様に、自然界で捕獲できてしまうカメの中には「カミツキガメ」や「イシガメ」がありますが、これらは特定外来生物に指定されているため一定の基準に満たない限り運搬・保管・飼養・栽培を禁止されています。
室内・外飼いに必要なもの
ミドリガメの飼育には、多くのものは必要ありません。いくつかのポイントに分けてみてみましょう。
室内飼い
- 水槽
ミドリガメがしっかりと泳げる大きさがあるものを選びましょう。
- 水
カルキ抜きが済んだ水が理想的ですが、ある程度の大きさになれば水道水を直接使用もできます。幼体の頃は、容器でカルキ抜きが済んでいる水を作っておきましょう。
- 電気
日光の代わりになる紫外線ライトや殺菌灯が必要です。窓辺に水槽を配置すると苔が発生するため、早々に水槽の設置位置が変わることが予想されます。
- エアーレーション
水の循環と水質維持のために必要です。投げ込み式フィルターが一般的ですが、吸い上げ式のろ過槽で水槽内を広くレイアウトすることもあります。
- 足場(陸地)
ミドリガメが甲羅干しできる足場がないと、正常な脱皮ができなくなります。
外飼い
- 水槽
通常の水槽でも問題ありませんが、ミドリガメが脱走しないような少し背の高い桶であれば問題なく飼育できます。庭に余裕がある場合は池でも飼育できます。
- 水
日光ですぐにカルキが抜けるので、基本的には水道水で問題ありません。
- ろ過槽
水槽の場合は室内飼いと同様で問題ありません。池で飼育する場合、排水ができたとしても頻繁に水の入れ替えを行うのは難しいため、ろ過槽を使用して汚れを防ぐのが一般的です。
ろ過槽であれば、ろ材に吸着した汚れを洗い流したり、ろ材を入れ替えるだけで清浄を保てます。
- 足場(陸地)
日光浴できる陸地を用意してください。室内飼いと違い、外飼いで脱走されてしまうと探すのが困難になります。水槽の中央付近に陸地を作るのをおすすめします。
水の量について
ミドリガメを飼育する際、水槽の2/3以上に水を入れてしまうと脱走の可能性が出てきます。一般的に全長20cm程度まで成長するため、40cm以上の深さがある水槽が理想的です。ミドリガメの体高は15cm程度のため、20〜25cmほどの水の量があれば自由に泳げるので問題ないでしょう。
その際、水槽の壁面に近い場所に陸地を作ってしまうと、ミドリガメが脱走しやすくなるので注意してください。
冬の飼い方について
冬は室内飼いと外飼いの場合でポイントが変わります。それぞれの注意点について覚えておきましょう。
室内飼い
室内飼いの場合、ミドリガメは冬眠する場合としない場合があります。水温が5度以下になった場合は冬眠が始まりますが、暖房によって室温が高く維持されている場合は冬眠しません。そもそも冬眠を必要としない地域の生き物のため、冬眠させない飼い主もいます。この場合、水槽にヒーターを設置することもありますが、ミドリガメが直接ヒーターに触れないように対策を忘れないようにしましょう。
外飼い
外飼いの場合は、基本的に冬眠するものと思っておきましょう。水槽の水が凍らないように注意してください。池の場合は落ち葉などで室を作れるようにしてあげましょう。
今の環境では越冬するのが難しいと判断した場合、ミドリガメは必死に水槽から逃げ出そうとします。水槽や池自体を保温することで対応できるため、発泡スチロールなどで外気温から守ってあげられるようにしましょう。難しい場合は、冬の間だけ別の水槽に入れて室内に入れるのも方法の一つです。
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